適応障害を早期改善する|ココロサポートケア法

座る女性

原因を取り除こう

看護師

患者数は増加傾向

適応障害はある特定の状況や出来事が要因となって生じる精神疾患の一つです。要因となる特定の状況や出来事がその人にとってはとても辛く、耐えがたいストレスを生じさせるものであった場合に発症します。そして、ある人にとってとても辛く耐えがたいストレスを生じさせる状況や出来事が他に人にとっても同様にとても辛く耐えがたい状況とは限りません。例えば職場での昇進やプライベートでの子供の誕生なども、人によっては嬉しいなどといった前向きな感情を上回る責任感や義務感が生じてしまい、適応障害を引き起こすストレスの要因となる場合もあるのです。そして適応障害を発症してしまった場合、憂鬱な気分や不安感が増幅し、具体的な症状としては、神経が過敏になったり物事を過剰に心配したり涙もろくなったりといった情緒不安定な症状を示したり、呼吸が苦しくなったり手が震えたりといった身体的な症状として現れたり、学校や職場を無断欠席したり、物を壊したり人と喧嘩するなどといった行動面の症状として現れる場合もあります。このような適応障害の症状はうつ病と似通っており、以前はこうした症状を一括りでうつ病やうつ状態と診断される傾向にありました。しかし今日では精神疾患に関する研究が進み知見が増加したことで、うつ病と適応障害は分けて診断されるようになりました。このような背景を踏まえ、適応障害と診断される患者の数は増加傾向にありますし、ストレス社会が改善される兆しもありませんので、今後も適応障害の患者数は増加していくことが予想されています。

慢性化に要注意

世界的な診断のガイドラインによると適応障害と診断されるのは、その要因となるストレスを生じさせる状況や出来事が発生してから1か月以内に症状を発症する場合であるとされています。また、適応障害であればストレスの要因となる状況や出来事が終結してから6か月以上症状が持続することは無いとも規定されています。そして、ストレスの要因を完全に取り除けたにもかかわらず6か月を経過しても症状が持続する場合は、慢性化したものと見なされ、うつ病などの別の精神疾患として診断されてしまうのです。実際に適応障害と診断された患者の内の40%以上が5年後にはうつ病などの診断名に変更されるという調査結果もあります。従って適応障害を発症してしまった際は、慢性化してしまい、うつ病などのより治癒の難しい精神疾患に進展してしまう前に適切な治療を行い、治癒させることが大切なのです。適応障害の治療としては、一つはストレス要因を取り除くという方法があります。例えば勤務先で仕事量の多い部署に異動した結果適応障害を発症してしまった場合に、一定期間勤務先を休んだり、仕事量の少ない部署に移動するといった対応が挙げられます。しかし、身近な人の死など、取り除く余地のないストレス要因によって適応障害が発症してしまうケースもあります。こうしたケースでは本人の適応力を高めていくことが必要になります。そのための治療法が認知行動療法や問題解決療法と呼ばれるカウンセリング療法です。そしてこうしたカウンセリング療法が効果を上げるためには、患者自身の主体性が何よりも大切なのです。